妊活ボイス運営事務局の時田です。4月に、塩谷厚生労働大臣が、結婚をしていない事実婚男女の不妊治療にも助成金を広げる可能性について言及したニュースが流れました。このニュースについての所感です!

▼元ニュース 東京新聞
不妊治療助成、事実婚も対象か 家族多様化で厚労相検討

[引用]
塩崎恭久厚生労働相は20日の参院厚生労働委員会で、体外受精などの不妊治療にかかる費用への助成制度に関し、法律上の結婚だけでなく、現在は対象となっていない事実婚のカップルにも広げることを検討する考えを示した。「多様化する家族の在り方を受け止めていかなければならない」と述べた。

不妊治療助成、事実婚も対象か 家族多様化で厚労相検討

いろいろな意見があると思いますが、私はニュースをポジティブに受け止めました!

どうしてか?それは、治療費の助成金うんぬんの手前にある、「籍を入れていない男女に対する病院の対応変化」が期待されるからです。

入籍をしていない男女を受け入れてくれる不妊治療クリニックが限られる課題

不妊治療クリニックには、治療を受ける男女に「婚姻関係があること」を必須条件とするクリニックと、必ずしもそれを問わないクリニックがあります。

また、後者のクリニックにおいても方針は院長の判断によって様々で、例えば、結婚前提ならいいとか、あるステップまでは婚姻関係がなくてもいいけど移植の時には必要とか、二人のうちどちらも結婚状態になければOK(一方が既婚者・二人とも別の相手と既婚している場合はNG)、などがあります。

この方針情報は、クリニックのHPで公開されていないことが多いので、電話でお問い合わせるか、相談に行くとすると教えてくれます。

入籍をしていない男女を受け入れてくれる不妊治療クリニックが限られる課題

なぜ、助成金対象の緩和が「結婚をしていない男女を受け入れてくれる不妊治療クリニック」の増加を後押しするのか?

病院ごとに異なる対応は、その後のトラブルや倫理観的な要素が大きなウェイトを占めます。そこに、国が、結婚していない男女の形の一つである「事実婚」にも治療の助成金を認めることで、お墨付きが得られたような空気になります。その結果、未婚男女の不妊治療に閉じた門を開く病院も出てくるでしょう。

事実婚がよいとか悪いとかの議論ではなく、結婚する前に子作りにチャレンジしているカップルは普通にいるわけで、そんなカップルにもクリニックの選択肢の幅が広がるかもしれません。

入籍日や結婚式が決まっていて、先に妊活も始めたい人たちもいる

子供を早く授かるためには、少しでも早く取り組むこと、ときに病院の力をはやく借りることが大切です。

私の友人に、仕事の事情で半年後に入籍予定の友人がいました。ただし入籍は半年後としても、二人の年齢的なことを考えて、妊活はできるだけ早くはじめたいとの希望を持っていました。しかし、二人が近所のクリニックを訪れて相談をしたところ「籍を入れてからもう一度来てください」と断られてしまったそうです。これはクリニックの方針ですから、仕方ありません(クリニックの方針にも多様性は認められるべきです)。しかし、この友人は、不妊治療クリニックにかかるためには「入籍必須」が常識で、どの病院でも同じことを言われると思い込んでしまったのです。

これは一例ですが、各自の事情を受け入れて対応してくれるクリニックが増えたら、救われる人たちが増えるのではないでしょうか。

入籍日や結婚式が決まっていて、先に妊活も始めたい人たちもいる

子供を授かることができたら籍を入れたい人たちもいる

今、日本は男女ともに晩婚化が進んでいます。女性の中には、30代後半になると、子供を授かれないかもしれないことを懸念して、結婚に前向きに取り組めなくなる方が増えていきます。

好きになった彼がなにげなく口にした「子供が絶対欲しい!」の一言で、自分の年齢に不安を感じてしまう真面目な女性もいます。仮に男性が、子供が授かれなくても君さえ居ればいいよ!と言ってくれても、結婚となると相手のご両親の理解など、いろいろな人の気持ちが入ってくるものです。

そんな女性・あるいは男性の中には、「子供を授かることができたら、籍を入れたい」と考える層がいます。

一見するとカジュアルな人たちに見えますが、二人にとっては真剣な悩み。女性は大切な彼の幸せを想い、男性は後継問題など背負うもののために、二人が前に進むための幸せの選択でもあるのです。

実際に、私の周囲や妊活ボイスでアンケートした方にも、そんなカップルが何組かおられます。

子供を授かることができたら籍を入れたい人たちもいる

このように実際に困っている方々の話を聞いていたので、不妊治療助成金を事実婚男女にも適応できるようにという今回の発言は、「籍入れていない男女を受け入れてくれる不妊治療クリニックの増加」を後押ししてくれそうな点で、わたしはぜひ実現させていただきたいと感じました!

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