【不妊治療卒業生は強いと思ったこと】
最近ふと思ったことがあります。
産科で働いていて、本当に、心から、
不妊治療を経て妊娠された方は強い‼︎
と思うのです。
もちろん長い期間子どもを待ちわびていたでしょうし、
そのためにたくさんのお金や時間も費やして来たことと思います。
この間、帝王切開術後すぐの方を受け持っていました。
手術中出血も多く、病棟に戻ってからも大量の出血。すぐドクターコールして緊急の止血処置や輸血も次々に使いました。
数日して、私が帝王切開当日のことを
「あの時は大変な状況で不安だったと思いますが、今はどうですか?」
と、ねぎらいの言葉をかけると
第一声が
「子どもが無事に生まれて良かったです😊」
でした。あの出血では自分の命も危なかっただろうに、まず子どものことを第一に思うって
本当に心が強いなぁと思うのです。
お話を伺うと、何度も不妊治療をして、長年勤めた仕事も辞めて、やっと授かった子どもだから、自分がどうなっても子どもが無事ならいい!と思っていたそうです。
その後授乳室でも、他のママさん達と
楽しそうにおしゃべりしたり
不妊治療してたことも笑い話のように話していました。
産後は母乳が思うように出なかったり、授乳に時間がかかって睡眠時間が減って
辛い!と泣いたりするママさんも多いのですが(もちろんホルモンの乱れで気分が不安定になることもあります)
不妊治療を経て妊娠された方は
とてもおおらかに受け止めて授乳や育児をされている方が多いように思います。
あまり授乳関連で泣いていたりすることも少ない印象です。
この方のみならず、
出産で自分が大変な状況になったとしても
産後声をかけると必ず
「子どもが無事ならそれでいい」と
言うのです。
子育ては うまくいかないことしかない
と、ある先輩ママさんが言っていました。
不妊治療を経験した方は
私もかつてそうでしたが
うまくいかないことの連続でした。
お金も時間も費やし、終わりが見えないような不安がつねにあります。
だからこそ、
子どもが元気でいてくれたらそれでいい
授かれたことが幸せ!
と心から思えるんだと。
この先どんなピンチがあっても
きっとこの方は乗り越えていけるんだろうな
と、私も側で育児の様子を見ていて思います。
今不妊治療をしているみなさんに
妊活を頑張るみなさんに
このエピソードを通して
その経験は絶対に無駄にはならない
ということが
ちょっとでも伝わっていれば幸いです🍀