メモ📝
■受精
卵巣から腹腔内へと飛び出した卵子は、「卵管采」に取り込まれ「卵管膨大部」へと進みます。一方の精子は、一回の射精で数千万~1億個にのぼる数が放出され、卵管膨大部へ向かって移動します。しかし、射精されたばかりの精子は受精能力を持っていません。子宮の中を進みながら5~6時間かけて受精能力を獲得し、卵子との出会いを目指すのです。
卵管膨大部へとたどり着く時期には、数千万だった精子が数十~数百にまで減少しています。そこからさらに受精へといたることができるのは、たった1つの精子です。それも、卵子と精子にはそれぞれ寿命があるため、タイミングを逃してしまうと受精することなく体外へと排出されてしまいます。
精子の寿命は卵子よりも長く、平均が2~3日、長くて1週間ほどと考えられています。卵子の寿命は約24時間で、そのうち受精できる時間は6~8時間しかありません。卵子と精子が受精するためには、排卵の1~2日前に性交することが理想といえそうです。
タイミングよく卵子に出会うことができた精子の1つが、卵子の周りを覆う透明帯を潜り抜け卵子と融合し「受精卵」が誕生します。受精卵は活性化され、分裂を開始します。
■受精卵が卵管を進む
活性化した受精卵は、卵管を移動し子宮を目指します。子宮へと到達するのは、4~6日ほどかかります。このあいだに受精卵は分割を繰り返し、4日目には「桑実胚」となり、5~7日目には着床に適した「胚盤胞」へと発育します。
胚盤胞は、体外受精の胚移植の際にも用いられています。従来の体外受精では、採卵から2~3日間の培養で体内に戻す移植が行われていました。しかし近年は長期培養の技術が進歩し、より着床率が高い胚盤胞の状態で移植が行われるケースが増えてきています。