不妊検査はどんな内容?
監修医師:中野ひとみ
【経歴】 鹿児島大学医学部卒業 総合病院、不妊治療クリニック勤務を経て 現在は東京都内の婦人科クリニックに勤務
【資格】産科婦人科専門医、新生児蘇生法コースA修了、アロマテラピーアドバイザー
【所属学会】日本産科婦人科学会、日本女性医学学会
妊活を始めてなかなか妊娠できないな、もしかしたら不妊治療をしないとかな?
と、不妊に悩む夫婦が治療を始めようと考えた時、最初の一歩となるのが不妊治療クリニックなどへの通院、そして検査となります。ただ、どういった検査が行われるのか不安に感じ、なかなか一歩が踏み出せないという声も聞きます。そこで今回は、実際にどういった不妊治療の検査が行われているのかについて紹介します。
不妊検査の目的とは?
不妊検査の主目的は、当然のことながら不妊症の原因を調べることにあります。男性・女性どちらか、あるいは双方の、どういった部分に原因があるかを検査します。不妊検査は、妊活者専用のSNS「妊活ボイス」でも多くのユーザーが話題にするテーマでもあります。
それに加え、妊娠や出産に耐えられる身体であるかどうかといった、基本的な健康状態などを調べる目的もあります。いずれにせよ、不妊症を疑った場合には早めにクリニックなどで受診されることをお勧めします。
具体的な検査内容は?
不妊検査を受けられるのは、不妊外来のある産婦人科や不妊治療専門のクリニックとなります。男性の場合、女性と一緒に不妊外来を受診するか、精密な検査が必要となった場合は泌尿器科で受診をすることになります。
男性の場合、自宅でできる簡易検査キットもありますが、あくまでも「簡易検査」であって正確な診断を保証するものではありません。当然、男性・女性のどちらに原因があるかは調べてみないと分からないため、可能な限り夫婦ともに検査を受けるようにしましょう。
■女性の不妊検査について
まずは女性の不妊検査について紹介します。ここでは一般的に実施される主な検査内容を紹介しますが、病院や個人の状況によって検査の詳細は異なりますので、診断時に医師の判断を仰ぐようにしてください。
- 経膣超音波検査
経膣プローブという細い棒状の機械を用いて子宮や卵巣の状態をみます。子宮筋腫や卵巣嚢腫などの診断や、子宮内膜の厚さ、卵胞の発育を知ることができます。
- 子宮卵管造影検査
膣から造影剤を注入後、レントゲンを撮影します。この検査では、子宮腔の形・大きさ、卵管の通過性や太さなどを調べます。
- 血液検査
ホルモン値を測定し、卵巣の働き、排卵障害の原因を調べることができます。
- 子宮鏡検査
膣から細いカメラを挿入し、子宮の中を調べます。同時に、肝臓・腎臓機能や貧血などの一般的な健康状態のチェックや、感染症の有無なども調べます。
■男性の不妊検査について
男性側の検査については精液検査において異常が認められた場合に内分泌検査や遺伝検査が実施されるのが一般的です。男性の場合も診断時に医師の判断を仰ぐようにしましょう。
- 精液検査
受診される方の多くが受ける検査となります。数日間の禁欲をしてから、病院で精液を採取するのが一般的です(自宅で採取して病院に持参する方法もあります)。精子運動率、運動速度、精液量などを詳細に分析し、WHO基準と照らし合わせて評価がされます。
- 内分泌検査
ホルモン値の測定や、肝臓・腎臓機能などの一般的な検診、感染症の有無などをチェックします。
- 遺伝検査
必要に応じて遺伝学的検査(染色体・遺伝子検査)を行うことがあります。
まとめ
今回は一般的な不妊治療検査について紹介をしました。不妊治療検査の中には、性周期の特定の時期のみで行えるものが多くあり、一通りの検査が完了するまでに最低でも1ヶ月、長い場合は数ヶ月かかります。
妊活を始めて、不妊治療に進んだとしても、不妊治療を早めに始めることで妊娠率は高まります。その第一歩となる不妊治療のための検査も、できるだけ早いタイミングで受けるように心がけましょう。
また、特定不妊治療(体外受精・顕微授精)まで治療が進んだ場合、自治体によっては助成金の支給がされるところもあるので、お住まいの都道府県や市区町村などの状況を事前に確認されておくこともおすすめいたします。
不妊治療だけでなく、検査でも補助金や助成金がでる自治体がありますよ!
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