妊活と仕事の両立について

妊活をスタートして直面する問題のひとつが「仕事との両立」です。何とか時間のやりくりをし、働きながら病院・クリニックに通われたり、やむを得ず退職をしたり、負担を背負って妊活をされる方が多いのが現状です。

 

そこで今回は「妊活ボイス」が2017年10月に、妊活を経験した女性300名を対象に実施したWebアンケートから、「妊活と仕事の両立」に関するデータをご紹介します。
こちらのアンケートは少し前のもになりますが、2022年の今回も実情はほとんど変わっていないのが現状です。

妊活者の約5人に1人は「仕事を辞めた」と回答!

「妊活中に働き方は変わりましたか?」との質問に対し、「仕事を辞めた」と回答した方は18.2%となり、約5人に1人は退職をしたという驚きの結果となりました。「転職・社内異動・業務変更をした」という方も含めると、34.3%となり、妊活の影響により、3人に1人以上が就業環境の変化を経験したことになります。

また、転職者の半数以上(53.8%)の方が「正社員からパート・契約社員・派遣社員」へと雇用形態を変更させての転職となり、正社員としてフルタイムで働きながら妊活を続けることの難しさを推測させる結果となりました。

働き方の変化

 

正社員の半数以上が「妊活と仕事との両立が困難」と回答

次に「妊活中に仕事との両立が困難と感じたことは?」と聞いたところ、就労者全体で46.7%、正社員での就労者に限定すると51.3%の方が「とてもあった」「あった」と回答。

回答者からは「妊活で一番大変だったのは職場での仕事の調整、またどこまでカミングアウトするかだった。私は上司に報告し、パートだったこともあり通院に合わせた休みや早退を認めたもらえたが、もし理解の無い職場であったり、正社員であったりしたら、妊活を続けるのは不可能だったと思う(30代前半・埼玉)」や「治療がステップアップするとクリニックに通う頻度も多くなるので、働きながら決められた日に通院するのはストレスになった(30代前半・兵庫)」といったように、仕事との両立の難しさを訴える声が聞かれました。

仕事との両立が困難

「精神的負担が大きかった」が最も多い理由

転職・退職をされた方に「転職・退職理由は?」と質問したところ、「妊活の精神的負担が大きかった」が40.8%と最も多く、「妊活のための時間確保」が39.5%と続いた。

実際に働きながら妊活をしていた回答者からは「職場でのフォローがもう少し整えば妊活がしやすくなるのではと思っています(20代後半・宮城)」や「職場に妊活中の人がもう一人いたが、私が先に妊娠してから対応がきつくなり、仕事に支障が出てきて退職した(20代後半・広島)」といったように、職場での理解不足やフォローを望む声が寄せられました。

転職・退職の理由

アンケート回答者からの声

実際にアンケートに回答いただいた方々からは、職場のフォローを望む声や働きながら妊活を続けるストレスについての声がありました。

  • 今は妊活という言葉が周知され周りにも言いやすくなったが、実際に内容やコスト等の大変な部分までは周知されていないのが現実です。また、職場でのフォローがもう少し整えば妊活がしやすくなるのではと思っています。(20代後半・宮城)
  • 仕事をしながら妊活をする精神力と体力は本当に必要になります。妊活を始めた当初は、周りにも妊活していることを話していなかったのですが、度々病院で抜けるため、思い切って話してみると職場も協力的に考えていただきました。なかなか打ち明けることは難しいことですが、一人で悩まず周りに頼ることもストレスをためない方法なのかなと思います。私もまだ妊活中ですので、引き続き焦らず主人とともに頑張ります。(30代前半・愛媛)
  • タイミングから人工授精にステップアップすると、クリニックに通う頻度も多くなるので、働きながら決められた日に通院するのはストレスにもなりました。痛い注射にも心が折れそうになり、ホルモン剤で太る身体を見るのが辛く、何度も挫折しそうになりましたが、クリニックの先生や看護師さんのおかげで無事に妊娠し、出産に至りました。クリニック選びも大切だなと感じています。(30代前半・兵庫)

妊活と仕事の両立をさせる難しさ

厚生労働省が行った実態調査(※)でも、「不妊治療を行っている従業員が受けられる支援制度や取り組みを行っているか」という質問に対し、「行っている」と答えた企業は9%に過ぎず、「制度化されていないが個別対応」と答えた企業と合わせても30%となり、全体の70%の企業が「支援制度や取り組みを行っていない」との回答となりました。

少子化対策や働き方改革などが叫ばれる昨今、企業側の妊活・不妊治療を行う従業員への支援制度の充実など、妊活と仕事が両立しやすい環境を整えられることを強く望む結果となりました。

※厚生労働省「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」(平成29年度)

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