不妊症の定義については、何らかの治療をしないと自然に妊娠する可能性がほとんどない状態のことを言いますが、不妊症になりやすい体質というのはあるのでしょうか。そこで今回は「どんな人が不妊症になりやすい」と言われているのかを調べてみました

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健康な男女が避妊をせず夫婦生活を営んでいるにもかかわらず、一定期間(現在は1年というのが一般的)をすぎても妊娠しない場合、不妊症と診断されます。

この定義を基準とすると、まず1年間はタイミング法などで夫婦生活を営み、それでも妊娠しない場合に不妊症となり、不妊治療に入っていくのがスタンダードなステップだと受け取ることもできます。

ただ、夫婦によって様々なケースが想定されますし、不妊症になりやすい人というのが分かっていれば早めに病院を受診し、早期に治療を開始することで、妊娠の可能性を高めることにつながるかもしれません。

不妊症になりやすい女性とは?

女性の場合、不妊症になりやすいケースとしては「月経の異常がある場合」「性感染症・骨盤腹膜炎」「子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されている場合」の3つに大別されます。

■月経の異常がある場合

  • 月経周期の異常

月経の間隔が39日以上と長い、90日以上あいてほとんど来ない、反対に24日以内など極端に短い場合などは排卵をしていないケースが多くあります。このような場合、不妊症のリスクは高いと言われており、早めに医師に相談するようにしましょう。

  • 月経量・期間の異常

月経の量が極端に多い、あるいは8日以上と長い場合は子宮筋腫などで子宮の内腔の形が変形している可能性があります。逆に月経の量が極端に少ない、あるいは2日以内と短い場合は月経があっても排卵していないことも考えられます。また、過去に人工妊娠中絶や流産の処置を受けたことがある場合も、子宮の内腔の一部が癒着していることがあり、不妊症のリスクが高いと考えられます

  • 月経に伴う症状異常

月経の際の痛みが若い頃に比べてどんどん強くなる、月経時に下痢をいつも起こす、性交時に以前になかった痛みがでてきたなどは子宮内膜症の可能性があります。子宮内膜症は1周期あたりの妊娠率が低くなる(10分の1程度)と言われています。

■性感染症・骨盤腹膜炎

クラミジアや淋菌などの性行為感染症にかかったことがある、以前に骨盤腹膜炎を起したことがある場合、主に卵管が原因の不妊症のリスク上昇につながります。

■子宮筋腫・子宮内膜症を指摘されている場合

過去に子宮筋腫、子宮内膜症を指摘されたことがある場合、早めに受診をすることをおすすめします。特に子宮内膜症によるチョコレートのう腫がある場合、卵子の老化が年齢よりも進むことがあるとも言われており、注意が必要です。

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不妊症になりやすい男性とは?

男性の場合、「小児期の病気」と「成人期の病気」が不妊症のリスク要因として考えられます。下記のような病気がある場合には、念のため、早めに泌尿器科や産婦人科での精液検査を受けることをおすすめします。

■小児期の病気

小さい頃、ヘルニアの手術や停留睾丸の手術を受けている場合、精子を運ぶ管が詰まったり、精子の数が少なくなったりすることがあります。また、おたふく風邪にかかった後に高熱が続いたり、睾丸炎を起こしたりしたことがある場合には、精子を作る力が低下していることもあります。がん等の治療を受けている場合も精子を作る力が極端に減っていることがあります。

■成人期の病気

糖尿病に罹ると、軽度の場合には勃起障害や射精障害といった性機能障害を起こしますが、病気が進んでくると精子を作る力そのものが低下してきます。

まとめ

今回は「不妊症になりやすい人」というテーマで調査をいたしました。今回ご紹介した内容については、あくまで一般論となります。不妊症の原因は個々のケースによって異なりますし、今回の状況に当てはまらなかった場合でも、早期に病院を受診し、専門医の判断を仰ぐことをおすすめいたします。

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参考文献:不妊症Q&A(一般社団法人 日本生殖医学会)

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