不妊治療について調べていると聞き馴染みの無い言葉にいくつか遭遇するかと思います。中でも、人工授精と体外受精、顕微授精は似たような言葉で、分かりにくいもの。今回は人工授精、体外受精、顕微授精の違いを解説いたします。

先日の「不妊症の定義は?不妊治療の内容とは?」でも紹介しましたが、一般的に、一般不妊治療(タイミング法など)を行った後、次のステップとして選択されることが多いのが人工授精となり、人工授精で妊娠に至らなかった場合に行われるのが、体外受精・顕微授精となります。

人工授精とは

人工授精では排卵日を予測し、指定日に濃縮・洗浄した良好な精液を子宮の奥に直接注入します。乏精子症や精子無力症、性交障害などが適応となります。極端に精子(総運動精子)が少ない場合は人工授精を経ずに顕微授精が実施されることもあります。

人工授精の施行回数は6回程度で累積妊娠率が頭打ちとなるため、それまでに体外受精に移行するケースが多くなっています。女性が高齢などの場合については、人工授精を実施せずに体外受精に移行する場合もあります。

体外受精とは

排卵手術により、排卵前に体内から取り出した卵子と精子の受精を体外で行う治療のことを体外受精といいます。受精後、細胞分裂を繰り返して発育した良好胚を膣から子宮内に胚移植します。

体外受精の特徴として、精子と卵子を確実に受精させることができることがあります。精子と卵子に妊孕性が残っている限り、体外受精をすればほとんどの場合、それ以降受精卵が正しく育ち、妊娠が成立します。

顕微授精とは

体外受精とよく似た治療方法となるのが顕微授精となります。体外受精では、卵子の周りに精子を振りかけるだけで受精を促しますが、精子の数がとても少ない場合、卵子に顕微鏡で確認しながら精子を直接注入します。この方法を顕微授精と呼んでいます。

体外受精を実施しても受精が成立しなかった場合、男性の精液中の精子濃度や運動率が低いなど体外受精をしても受精しないと判断される場合に実施される治療方法となっています。

まとめ

人工授精、体外受精、顕微授精の違いについて解説してきました。一般的にはタイミング法などを経て、人工授精、体外受精、顕微授精とのステップを踏んでいくものの、不妊の原因によっては、選択される治療方法は異なってきます。

できる限り早く不妊検査を受け、医師と相談し最適な治療方法を選択することで妊娠する時期を遅らせ出産するチャンスを減らしてしまうリスクを最小現にすることができると思います。

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参考文献:不妊症Q&A(一般社団法人 日本生殖医学会)