現在の日本において、不妊に悩む夫婦は晩婚化などの影響もあり、10組に1組とも6組に1組とも言われています。そこで今回は、不妊症の定義、不妊治療の内容について紹介いたします。

不妊症の定義とは?

「不妊症」とは、何らかの治療をしないと自然に妊娠する可能性がほとんどない状態のことを言います。健康な男女が避妊をせず、夫婦生活を営んだ場合、一定期間内に多数の方が妊娠します。

一定期間を過ぎても妊娠しない場合、不妊症と診断されます。一定期間については、日本産科婦人科学会が平成27年8月に従来の「2年というのが一般的」から「1年というのが一般的」と変更するのが適当であるとしたため、現在は「1年」というのが不妊症の定義として一般的となっています。

不妊治療のスタートは「検査」から

不妊治療の最初のスタートは、婦人科や不妊治療を専門に行っているクリニックなどで検査をし、不妊の原因を調べることです。当然のことながら、男性・女性双方に不妊症の原因がある可能性があります。男性・女性ともに検査を受けることが重要です。

女性は基礎体温表の確認、血液検査によるホルモン測定、子宮卵管造影、頸管粘液検査などが、男性は精液検査による精液料、精子濃度、運動率、運動性、奇形率などの検査が行われます。

検査の期間は短くても1ヶ月、長くて半年ほどかかることもあるので、後の治療のことも考えると、できるだけ早いタイミングで検査に行くことが望ましいと言えます。

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具体的な不妊治療の内容とは?

一通りの検査が終わったら、その結果をもとにした治療に入ります。一言で「不妊治療」といっても様々なものがあり、通院の頻度や入院の有無なども異なってきます。

不妊治療の内容を大きく分けると「一般不妊治療」「人工授精」「体外受精・顕微授精」の3種類となり、不妊の原因に合わせた治療が選択されることになります。

■一般不妊治療

不妊原因が発見できなかった場合や、まだ不妊期間が短い場合に行われることが多い治療法となります。

排卵のタイミングを予測して、排卵日の少し前に性交をして妊娠の確率を高める方法(タイミング法)となります。基礎体温表から排卵日を予測する方法、超音波診断により卵胞の発育を観察して排卵日を知る方法、LHサージ(LHが大量に放出されて排卵の引き金となる)を調べるキットにより排卵日を知る方法などがあります。

排卵が見られない時、また通常の排卵が行われない時は排卵誘発剤による治療も行われます。また、排卵数を増やし、妊娠の確率を高めるために排卵誘発剤を使用するケースもあります。

■人工授精

人工授精とは、精液を直接子宮内に注入する治療法となります。精液を遠心機にかけ、良好な精子を濃縮して用いる方法が主に行われています。男性側に不妊の原因が合った場合に用いられたり、一般不妊治療で妊娠に至らなかった時の次の治療法として選択されたりし、1回あたり約1〜3万円の治療費となります。

■体外受精・顕微授精

体外受精は、男性・女性双方に不妊の原因があり、人工授精までの治療では妊娠が困難な場合に行われます。その名の通り、女性から卵子を、男性から精子を取り出して体外で受精を行い培養した後、分割した胚を子宮に戻す治療法となります。

病院にもよりますが、体外受精は1回あたり約30万円〜50万円の費用がかかり、保険適用外のため、すべてが自己負担となります。

精子が少ない場合など、体外受精で受精に至らない場合などに実施をするのが顕微受精となります。体外受精の場合、精子と卵子を自然受精させますが、顕微授精は顕微鏡を見ながら、専用の針で卵子に精子を直接注入し受精させます。

顕微授精も保険適用外となり、1回あたり40万円〜60万円の費用がかかります。自治体によっては、特定不妊治療に対して助成金を支給しているところもあるので、お住まいの都道府県や市区町村などに確認をしてみてください。

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まとめ

不妊治療の平均期間は2年強、平均治療費は140万円とも言われています。不妊の原因はさまざまなので、実際にはもっと長い期間、より多くの治療費となった方もたくさんいらっしゃると思います。

平均でも2年強、治療費も140万円がかかることを考えると、早い段階で治療についての正しい知識を得て、自分のライフプランニングを考えておくことが非常に重要なことだと感じました。

特に「不妊症かも?」と感じられている方がいたら、早めに病院に行き、医師への相談、検査を検討していただければと思います。

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