妊活ボイス運営事務局のアキです。これまで妊活ボイスでは、東京都内の自治体が行っている特定不妊治療の助成金の実態について調査をしてきました。

その調査を通じて感じたのは、各自治体で助成内容が異なっていたり、そもそも実施をしていない自治体の方が多かったりと、地域によって格差が大きいということでした。

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助成を新たに始める自治体、やめた自治体

調査する前には、少子高齢化の問題もあり、助成をする自治体は増えているのではないかと漠然と考えていました。実際、東京都の自治体では、今年度(平成28年度)より助成制度を始めたところが4つありました。

■今年度より特定不妊治療助成制度を始めた東京都の自治体

  • 江東区、板橋区、国立市、清瀬市

一方、過去に助成制度を設けていたものの、現在は終了している自治体もありました。

■特定不妊治療助成制度を終了した東京都の自治体

  • 渋谷区、目黒区、多摩市
    ※いずれの自治体も平成23年度に終了

渋谷区、目黒区、多摩市ともに平成23年度に終了しているのは、同年度に国が実施する助成制度が変更となり、1年度目に受けられる助成回数が年2回から3回に拡充されたことが影響しているのかもしれませんが、時代の流れとは逆行した判断と言えるかもしれません。

東京都以外での最近の動き

東京都以外の自治体ではどのようなトレンドがあるでしょうか。時期的に来年度の予算編成が行われているようで、いくつか目にした最近のニュースをピックアップしてみました。

埼玉県は予想される人口減少に対応するため、若い世代への不妊対策「ウェルカムベイビープロジェクト」を進めるそうで、全国で初めて、35歳未満の場合、初回の助成金に10万円上乗せし40万円とするとのこと。これにより、早期治療を促す狙いがあるようです。

茨城県では、一般会計の予算規模は前年度当初比0.8%減となる中、少子化対策の一環として、不妊治療への県独自の上乗せ助成に5億7700万円を計上していて、対策に重点を置いていることが分かります。新潟県の燕市も一般会計の総額が前年度当初比で1.0%の減額となる中、産後ケアや不妊治療費の助成制度を新設・拡充しています。

また、不妊治療の助成ではありませんが、静岡県では「不育症の治療費」を一部助成する方針を固め、既に実施している不妊治療助成と併せ、支援体制を整えたいと考えているそうです。

全体の傾向としては、やはり不妊治療に対する支援は充実している傾向にあるようです。ただ、全体からみるとまだまだ独自の支援制度まで設けている自治体は少なく、自治体間の格差は大きそうです。

より多くの自治体でサポート体勢が充実し、不妊治療で悩む方がひとりでも少なくなればと改めて感じました。

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