妊活ボイス運営事務局のアキです。前回、東京都ならびに市区町村の不妊治療助成金について調査しましたが、今回はその続編となり、東京23区の自治体において、実際にどのくらい助成金の支給がされているかなどを調査しました。

前回調査をしてみて、制度の概要などは自治体のホームページなどで確認できますが、実際にどのくらいの人が制度を利用しているのかなど、ホームページを見るだけでは分からないことも多いなと思いました。

そこで今回、妊活ボイス運営事務局で、公表されている資料や自治体への電話ヒアリングなどを通して、各自治体の支援状況についてレポートを作成しましたので、是非ご覧ください!

東京23区内の支援について

前回のレポートでもお伝えした通り、東京23区で独自の助成事業を設けているのは、2017年2月7日現在では、千代田区・中央区・港区・文京区・台東区・江東区・品川区・世田谷区・杉並区・板橋区・練馬区・葛飾区の12区となります。

その中で、今年度より実施を開始した江東区と板橋区を除く10区について、平成27年度の支給件数や金額、歳入(収入)に占める割合などを調査しました。

■支給件数について

まずは各自治体の支給件数について調査してみました。最多件数は世田谷区の1,471件となりました。2位は練馬区(984件)、次いで品川区(843件)の順となりました。人口自体が多い区だということもあるのでしょうが、1,000件を超えたのは世田谷区のみとなりました。

不妊治療助成金の支給件数

■支給額について

次に、実際に支給された額について調べてみました。港区が2億円を超え、最も多い支給額となりました。1件当たりの支給額も25万円を超え、助成金額の上限が30万円と23区内で最大となっている点も総支給額が大きくなっている要因だと思います。

港区に次ぐのは、支給件数でトップだった世田谷区となり、件数・支給額ともにトップクラスでした。3位には件数ではTOP5に入らなかった葛飾区が入り、品川区、練馬区と続きました。

不妊治療助成金の支給額

※単位:千円

■人口に占める受給率について

支給件数では世田谷区がトップとなりましたが、住民数と比較した場合はどうなるでしょうか。20歳から44歳までの人口に対しての支給件数の割合(支給件数÷区内の20歳から44歳までの人口)を調べてみました。

結果、港区が最も高い割合となり、品川区、世田谷区、練馬区、杉並区がランクインしました。港区の数値は他の自治体よりも高い数値となっていました。

人口に占める不妊治療助成金の受給率

■歳入に占める支給額の割合について

最後に、各自治体の歳入(収入)に占める支給額の割合について調べてみました。この数値が高いほど、不妊治療に相対的に予算を多く掛けているとも考えられ、自治体の意識の高さを窺えると思います。

この調査でもトップは港区(0.159%)となり、2位の世田谷区(0.045%)、3位の品川区(0.030%)を大きく引き離す結果となりました。支給額が大きいだけでなく、歳入に占める割合も大きな港区は、不妊治療対策に本腰を入れている自治体のひとつだと言えます。

歳入に占める不妊治療助成金の支給額の割合

項目別のランキング一覧

これまでの項目を一覧化したものが下表となります。支給件数では世田谷区がトップだったものの、その他の項目では全て港区がトップとなっています。特に「歳入に占める支給額の割合」は他の自治体を大きく引き離していました。

項目 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
支給件数 世田谷区 練馬区 品川区 杉並区 港区
支給額 港区 世田谷区 葛飾区 品川区 練馬区
人口に占める受給率 港区 品川区 世田谷区 練馬区 杉並区
歳入に占める受給額の割合 港区 世田谷区 品川区 葛飾区 杉並区

港区の助成事業について

東京23区の中でも、不妊治療対策に特に力を入れている港区の助成制度について、詳細を確認してみると、他の自治体には無い特色を知ることができました。

■助成金額の上限について

他の自治体の多くが最大で5万〜15万円の助成額なのに対し、港区では30万円までと倍以上の上限を設定しています。また、通算で5年度まで申請ができるため(平成33年度より妻の年齢が43歳以上で開始した場合の治療費は対象外)、治療が長期化した場合のバックアップも手厚くなっています。

■受給者の所得制限について

東京都や他の自治体の多くが所得制限を設けています。東京都では「新整備の前年の夫婦の合算の所得が730万円未満であること」という要件を定めており、共働きの夫婦が増えた昨今、この要件に引っかかり、申請を出せない夫婦が一定数いるものと推測されます。

港区の助成制度においては、この所得制限を設けておらず、夫婦の合算所得に関わらず、助成制度を利用することが可能となっています。
※港区の要件などの詳細はこちらからご確認ください。

まとめ

東京23区のうち、独自の助成制度を設けている自治体が12区。その中でも助成額や内容は様々でした。仕事や費用面の関係などで、助成金を受けるために転居するというのは難しいと思いますが、将来的に不妊治療などを選択する可能性があるような場合、各自治体がどういったサポートをしているかも、住居を決める一因として検討すると良いかもしれませんね。

■参考データ(各自治体の詳細データ)

各自治体の詳細データ

※人口は「住民基本台帳による東京都の世帯と人口平成28年1月第7表(東京都人口統計課)」を参照
※歳入は「平成27年度東京都特別区普通会計決算の概要(東京都総務局)」を参照
※港区の支給額はおおよその金額となります。
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