不妊とは、妊娠を望む男女が性交をしているにもかかわらず、一定期間(現在では1年間との定義が一般的)妊娠しないことをいいます。その原因は様々で、当然のことながら、男性に起因するもの、女性に起因するものがあります。

そこで今回は、男性と女性別にそれぞれの主な不妊症の原因(妊娠できない理由)を年齢別の妊娠率と合わせて紹介したいと思います。

年齢別の妊娠率について

一般に女性の年齢によって妊孕性(妊娠できる力)は変化し、年齢が増加すると妊娠する力が低下すると言われています。

17世紀から20世紀における女性の年齢と出産数の変化について調べた研究では、出生数は30歳から徐々に減少、35歳を過ぎると減少傾向は顕著となり、40歳を過ぎると急速に減少します。

 

年齢別の妊娠率

※妊孕率は20~24歳を100%として計算

出典:不妊症Q&A(日本生殖医学会)

また、体外受精をはじめとした生殖補助医療(ART)による妊娠率を見ても、33歳くらいまでは20%程度とほぼ一定ですが、34歳頃から徐々に下降し、40歳では8.8%まで減少し、45歳では0.8%となります。

年齢別の妊娠率・出産率

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女性の不妊症の原因(妊娠できない理由)について

女性が妊娠・出産に至るまでには、子宮や卵管、卵巣、膣といった全ての生殖器官が正常に働くことが重要となってきます。ここでは女性側で主に考えられる不妊の原因を紹介いたしますが、いずれも痛みなどの症状がほとんどなくて、気付かないこともあります。「不妊かも?」と思ったら、早めに専門医に相談されることをおすすめします。

■排卵に原因があるケース

規則的な月経がある女性は、月経の約2週間前に「排卵」が起こります。しかし、極端な月経不順の女性の場合、出血があっても排卵が伴わないケースがあります。排卵が起こらない原因はホルモンを出す仕組みに影響を与える病気やホルモンバランスの異常などが考えられます。排卵しているかどうかは、基礎体温の記録などでも分かりますが、異常を感じたら、早めに医師に相談をするようにしましょう。

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■卵管に問題があるケース

卵管は精子や卵子・胚が移動する器官となります。炎症などにより卵管が詰まっていたり、狭くなっていたりすることで、精子、卵子・胚が移動しにくくなり、不妊の原因となるケースもあります。

■子宮に問題があるケース

子宮は受精卵である胚が着床し、胎児が発育する器官です。ポリープや子宮筋腫があると、子宮内に到達した胚が子宮壁に着床するのを妨げ、妊娠まで至らなくなります。

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男性の不妊症の原因(妊娠できない理由)について

不妊症の内、夫側に原因があるケースは半数に上ります。精子の製造能力に問題があるケースが約80%と最も多くなっています。

■精子が作れないケース

精子の数が少ない、または無い、精子の運動性などが悪いと妊娠がしにくくなります。原因がはっきりしているものに「精索静脈瘤」というものがあり、精巣内の温度が高くなり、精子の数や運動性が低下します。また、特に原因がなくても精子が作られないケースもあります。

■性機能の障害によるケース

勃起障害(ED)、膣内射精障害など性交で射精できないケースもあります。主にストレスや妊娠に向けての精神的なプレッシャーなどが原因と考えられています。

まとめ

ここまで見てきたように、不妊の原因は男性・女性それぞれにあり、その内容も様々です。近年の晩婚化、晩産化の影響もあり、不妊に悩むカップルは増加していると言われています。

「不妊かもしれない」と考えたら、すぐに不妊治療クリニックなどを受診し、検査を受けることをおすすめします。また、その際は可能な限りパートナーと一緒に行き、医師と相談するようにしましょう。

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参考文献:HUMAN+(日本産科婦人科学会編著)
参考文献:不妊症Q&A(日本生殖医学会)

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