妊活するなら必見!基礎体温の見方


監修医師:中野ひとみ
【経歴】 鹿児島大学医学部卒業 総合病院、不妊治療クリニック勤務を経て 現在は東京都内の婦人科クリニックに勤務
【資格】産科婦人科専門医、新生児蘇生法コースA修了、アロマテラピーアドバイザー
【所属学会】日本産科婦人科学会、日本女性医学学会


今日で2022年の上半期も終わり。不妊治療が適用になるなど、妊活市場には大きな変化が現れてきました。しかし、まだまだ妊活を始めようかまよっているかた、これから始める方、そしてなにからはじめていいかわからない方に、妊活の基本である基礎体温の見方をご紹介!

妊活するにあたって、基礎体温を測ることは基本の一歩とも言えます。基礎体温を正しく測定し、基礎体温表を作成することで自身の排卵周期を把握し、排卵日を予測することもできます。今回は基礎体温の正しい測り方と見方について、基礎体温表を見る時のポイントやパターン別の注意点とともに紹介します。

基礎体温とは?

そもそも基礎体温とは何なのでしょうか?基礎体温は人間が一番安静な状態にある時の体温のことを言います。この条件を最も満たすのは、朝起きたばかりの、体を動かす前の状態です。

排卵周期のある女性の体温は高温期と低温期の二相性になっていますが、その温度差は0.3〜0.5度程度となり、ごく僅かです。そのため、普通の体温計ではなく、小数点第2位以下まで表示されるデジタル式の基礎(婦人)体温計を使用することが原則です。

基礎体温の正しい測り方とは?

妊活者専用のSNS「妊活ボイス」でも、たびたび話題にあがる「基礎体温」。前述の通り、最も安静な状態にある朝起きてすぐ、体を動かす前の状態で測定することが、基礎体温を正しく測るために重要となってきます。

■起きてすぐ、同じ時間に測る

基礎体温は少しの動きで変動してしまうため、起きてすぐに測れるように基礎体温計は寝る場所の近くにおいておきましょう。また毎日同じ時間に測ることも重要となります。測定する時間を決め、習慣化してしまうようにしましょう。

■身動きしないで測る

朝起きて大きな伸びをしたり、寝返りやあくびをしたりしただけでも、基礎体温に影響が出る可能性があります。基礎体温計を舌の下に挟んだら、できるだけ身動きしないようにしましょう

■基礎体温を測る時の注意点

基礎体温の測定に慣れない内は、下記のような行動を取りがちですので、特に注意してください。

  • 伸びをしない
  • 寝返りをうたない
  • あくびをしない
  • 誰かに話しかけたり、話したりしない

おすすめの基礎体温計10選で紹介したように、予測検温機能のある基礎体温計であれば、10秒〜20秒での検温も可能ですので、長い時間身動きしないことが難しいと思う方は、予測検温機能がある基礎体温計を選ばれると良いと思います。

基礎体温表を見る時のポイント

基礎体温は毎日の測定値の上下を気にするのではなく、1ヶ月のグラフの動きを見ることがポイントとなってきます。生理開始から次の生理が始まるまで、体温が低い時期と高い時期に分かれていれば、排卵が行われている可能性が高いです。

低温期から高温期に入る前に体温が0.3〜0.4度ほどはっきり下がる時があり、これが排卵直前の目安となります。その日から2〜3日間に排卵があると予測されます。そして、この日を境に体温は急に上昇します。

■一般的な基礎体温表の例

基礎体温表

低温期から高温期に入る前に体温が0.3〜0.4度ほどはっきり下がる時があり、これが排卵直前の目安となります。その日から2〜3日間に排卵があると予測されます。そして、この日を境に体温は急に上昇し、高温期に入ります。

このグラフ通りになっていないと「排卵がされていないのでは」と不安になる方も多いと思いますが、チェックすべきポイントは下記の3点となります。

  1. はっきり低温期・高温期の二相に分かれている(温度差が0.3~0.5℃)
  2. 生理開始から排卵までが長くない(およそ20日以下)
  3. 高温期の期間が10~14日程度持続している

このポイントがクリアできていれば排卵が行われている可能性が高いですが、あくまで目安に過ぎません。また、逆にクリアできていないようでしたら、体内で何らかの異変が起こっている可能性も考えられます。一度、医師に相談されることをお勧めいたします。

基礎体温表のパターン別注意点

チェックすべき3つのポイントをクリアしない基礎体温表について、いくつかのパターンに分類することができます。パターン別に考えられる状態などを紹介しますが、いずれの場合早めに医師に相談することをお勧めします。

■低温期、高温期がはっきりしない

基礎体温表(低温期、高温期がはっきりしない)

低温と高温の温度差が低い場合、体温を上げる黄体ホルモンのバランスが不良となっているか、排卵が行われていない場合が考えられます。

■体温が上がらない

基礎体温表(体温が上がらない)

排卵後、卵胞は黄体に変化し、体温を上げる黄体ホルモンが分泌されます。体温が上がらないということは、排卵が正常に行われていない、無排卵である可能性があります。

■高温期が短い

基礎体温表(高温期が短い)

高温期が短い(9日以下しかない)時は、黄体ホルモンがうまく機能していない黄体機能不全などの疑いが考えられ、不妊につながるので注意が必要です。早めに病院で相談されることをお勧めします。

■低温期が長い

基礎体温表(低温期が長い)

排卵するまで18〜20日以上かかる場合、卵胞の発育などの卵巣機能が正常に働かない状態(卵巣機能不全)の可能性が考えられます。

■いったん上がり、また下がる

基礎体温表(いったん上がり、また下がる)

グラフが大きく上下するところがいくつもあると、排卵を特定することが難しくなります。一度、病院で排卵リズムを調べてもらうことをお勧めします。

まとめ

今回は基礎体温の正しい測り方・見方についてまとめました。基礎体温を付けることは排卵日を知る手がかりになることはもちろんのこと、ご自身の体調を把握することにもつながってきます。

基礎体温表の正しい見方を知り、異変を感じた際には早めに病院に行き、専門医の判断を仰ぐようにしましょう。

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